こまつ 座 きらめく 星座。 劇団「こまつ座」クラウドファンディングを公開 劇作家・井上ひさしの遺した言葉、演劇を次世代に繋ぐ

しのぶの演劇レビュー: こまつ座・ホリプロ『きらめく星座 ~昭和オデオン堂物語~』05/06

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井上ひさしは、作家・劇作家という「ことば」を扱う者として、人間の持つ最高の文化といえる「ことば」に対して並々ならぬ研究を重ね、自身の持つ知見を常に最大限に発揮しながら戯曲や小説を書き続けました。 言葉を扱う発信者側の責任、発信された言葉をどう受け止めるかという受信者側の責任、この二つの責任をどう考えるかは、今もわたしたちの課題でありつづけていますが、それを「うんとおもしろく」書いたものがこの作品です。 ですか ら、うんと楽しんでいただければそれでいいのです。 そして皆様のお心のどこかに受信と発信の関係について少しでも 残るものがあれば、それこそ作者冥利に尽きます。 こまつ座の提携公演も含め、今回の大千秋楽で公演回数は累計500回目を数えます。 今回、小笠原ふじ役を演じるのは、舞台、ドラマ、映画など幅広く活躍する秋山菜津子さん。 ラストシーンの「青空」 の歌唱と演技が高い評価を受け、第22回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞しました。 また脱走兵の長男・正一(しょういち)を演じるのはオペラやミュージカルでご活躍中の田代万里生さん。 明るく陽気な一家を描く笑いの絶えない舞台ながら、その幸せな時間が 時代の波に流されバラバラになっていく様は、現代への井上ひさしからの強烈なメッセージと平和への祈りを感じさせ ることでしょう。 小さなレコード店「オデオン堂」に四人の家族と二人の間借り人が仲良く暮らしていた。 しかし、陸軍に入隊していた長男の正一が脱走して「非国民の家」扱い。 追手がかかり憲兵が住み込みで見張りをする始末。 ところが長女・みさをがたくさんの傷痍軍人と交わしてきた文通ハガキの中から選んだ源次郎と結婚するにいたって、今 度は一転「美談の家」に。 ジャズ(=敵性音楽)が好きで歌謡曲(=軟弱な音楽)が好きなオデオン堂の面々と、軍歌一辺倒の婿・源次郎は何かと衝突が絶えない。 戦争へ向かう世の中に振り回されて、生活の小さな喜びを大事にしてきた普通の一家の行く末は、果たして。 言葉が俳優の肉体に染み込んだ状態でスタート出来たので、自然に開かれていく様は、あたかも日常生活の断面をそのまま切り取ったように柔らかだ。 井上さんに見せたい、聞かせたいと、心から思う。 日常の ニュースのなかに平然と流れる、「排除」「選別」といった言葉が人間に対して平然と使われる今の時代は、『きらめく星座』で描かれる時代と怖いほどに重なる。 こういう芝居が必要ないと「排除」されるのなら、もう私たちの生活から物語や文化というものが、どこかへ葬られてしまう事になる。 ちゃんと守らなくては、と切実に思う。 これ程 皆さんにお届けしたいと願う作品は、本当に稀かもしれません。 それだけの魅力と力を備えた井上ひさしさんの「きらめく星座」。 私も誠心誠意、心を込めて演じたいと思っています。 この名作戯曲を鯛の塩焼きに例えれば、夢中で食べた3年前と比べて、今回は一口ずつじっくり味わい、残った骨からも美味しいお出汁をとっていただいた位に更に充実した稽古が出来ました。 初演から30年以上を経てもなお、益々輝きを増して今の私たちの胸に迫る「きらめく」台詞の数々を、素敵な共演者の皆様と共に精一杯お届けしたいと思います。 劇場にてお待ちしています。 現代の私たちは、今【何を】見上げているのか。 今回の舞台は、例外なく誰にとっても自らのルー ツに繋がっているのではないかと思います。 井上ひさしさんの力強いメッセージをこの作品を通して精一杯体現し、人間そのものである『ピカピカの奇蹟』を、より一層輝かせることが出来ますよう に。 数ある井上ひさし作品の中でも、自身の「私戯曲」とまで言っているほど思い入れのある大傑作。 全力でお届け致します。 この時の役は、脱走兵・正一です。 2009年、2014年の再演では、広告文案家・竹田慶介です。 自ら語っていた台詞を聞き、聞いていた台詞を、自らが口にする、奇妙で新鮮な経験でした。 そして、もうすぐ初日の今回も、竹田慶 介です。 あの「人間広告」の台詞を、長年に渡って言わせていただきましたが、オデオン堂の居 候も67才。 今回が最後になるかも知れません。

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太平洋戦争開戦前年、東京・浅草の庶民の物語 井上ひさしの「きらめく星座」、3月5日から上演

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左より、深谷美歩さん、山西惇さん、秋山菜津子さん、久保酎吉さん、田代万里生さん、後藤浩明さん、木場勝己さん 開幕リリース(井上さんの言葉、演出の栗山民也さん、出演の秋山菜津子さん、山西惇さん、田代万里生さん、木場勝己さんからの開幕コメント)が届きました。 舞台写真、早速ご覧になったみなさまからお寄せいただいた感想とともにご紹介いたします。 言葉を扱う発信者側の責任、発信された言葉をどう受け止めるかという受信者側の責任、この二つの責任をどう考えるかは、今もわたしたちの課題でありつづけていますが、それを「うんとおもしろく」書いたものがこの作品です。 ですから、 うんと楽しんでいただければそれでいいのです。 そして皆様のお心のどこかに受信と発信の関係について少しでも残るものがあれば、それこそ作者冥利に尽きます。 小さなレコード店「オデオン堂」に四人の家族と二人の間借り人が仲良く暮らしていた。 しかし、陸軍に入隊していた長男の正一が脱走して「非国民の家」扱い。 追手がかかり憲兵が住み込みで見張りをする始末。 ところが長女・みさをがたくさんの傷痍軍人と交わしてきた文通ハガキの中から選んだ源次郎と結婚するにいたって、今度は一転「美談の家」に。 ジャズ(=敵性音楽)が好きで歌謡曲(=軟弱な音楽)が好きなオデオン堂の面々と、軍歌一辺倒の婿・源次郎は何かと衝突が絶えない。 戦争へ向かう世の中に振り回されて、生活の小さな喜びを大事にしてきた普通の一家の行く末は、果たして。 <開幕によせて> 左より、木場勝己さん、深谷美歩さん、後藤浩明さん、山西惇さん 【演出:栗山民也さんコメント】 三年前と同じ顔ぶれの俳優が集まった今回の稽古場は、実に豊かな時間だった。 言葉が俳優の肉体に染み込んだ状態でスタート出来たので、自然に開かれていく様は、あたかも日常生活の断面をそのまま切り取ったように柔らかだ。 井上さんに見せたい、聞かせたいと、心から思う。 日常のニュースのなかに平然と流れる、「排除」「選別」といった言葉が人間に対して平然と使われる今の時代は、『きらめく星座』で描かれる時代と怖いほどに重なる。 こういう芝居が必要ないと「排除」されるのなら、もう私たちの生活から物語や文化というものが、どこかへ葬られてしまう事になる。 ちゃんと守らなくては、と切実に思う。 【出演:秋山菜津子さんコメント】 私が今までに出会った作品の中で、ベストワンの戯曲であると改めて深く感じさせられた、今日までの稽古の日々でした。 これ程皆さんにお届けしたいと願う作品は、本当に稀かもしれません。 それだけの魅力と力を備えた井上ひさしさんの「きらめく星座」。 私も誠心誠意、心を込めて演じたいと思っています。 【出演:山西惇さんコメント】 3年ぶりに高杉源次郎として初日を迎えられること、光栄に思います。 この名作戯曲を鯛の塩焼きに例えれば、夢中で食べた3年前と比べて、今回は一口ずつじっくり味わい、残った骨からも美味しいお出汁をとっていただいた位に更に充実した稽古が出来ました。 初演から30年以上を経てもなお、益々輝きを増して今の私たちの胸に迫る「きらめく」台詞の数々を、素敵な共演者の皆様と共に精一杯お届けしたいと思います。 劇場にてお待ちしています。 【出演:田代万里生さんコメント】 昭和15 年の浅草の人々は、いったいどんな気持ちで、どんなきらめく星座を見上げていたのか。 現代の私たちは、今【何を】見上げているのか。 今回の舞台は、例外なく誰にとっても自らのルーツに繋がっているのではないかと思います。 井上ひさしさんの力強いメッセージをこの作品を通して精一杯体現し、人間そのものである『ピカピカの奇蹟』を、より一層輝かせることが出来ますように。 数ある井上ひさし作品の中でも、自身の「私戯曲」とまで言っているほど思い入れのある大傑作。 全力でお届け致します。 【出演:木場勝己さんコメント】 1992年、初こまつ座が『きらめく星座』。 この時の役は、脱走兵・正一です。 2009年、2014年の再演では、広告文案家・竹田慶介です。 自ら語っていた台詞を聞き、聞いていた台詞を、自らが口にする、奇妙で新鮮な経験でした。 そして、もうすぐ初日の今回も、竹田慶介です。 あの「人間広告」の台詞を、長年に渡って言わせていただきましたが、オデオン堂の居候も67才。 今回が最後になるかも知れません。 ぜひ、あの場所に参加、時間と想いを共有して欲しいと思います。 観劇が「生きる」体験になります。 どんな状況にあっても「心の青空」だけは、だれにも渡さずにいたいと思いました。 曲もどれも素晴らしい!私の青空を秋山さんが最後にとびきり上手に歌う所で、全ての不条理を吹き飛ばしてやる!という固い意志のようなものを感じて勇気をもらえました。 軍国主義の歪みにも、僅かな食料配給にも、負ける事なく陽気に明るく生き抜いている。 その明るいやりとりに、井上ひさしの魅力がたっぷり詰まっていて、当時の名曲も使われていてとても楽しい。 しかしそんな家族にも、戦争の暗い影が忍び寄って…。 今こそ上演される事に意味のある作品だと思いました。 あの時代の日本人の在り様、不条理と悩み、それが全て日常の中にあるから、キリキリと心に食い込んで来て、観ていて辛かった。 それなのになんとも言えない明るさがあるのが嬉しい様な更に辛い様な複雑な気分でした。 多くの若い方に見て欲しい。 これをキッカケに考える事が貴重な体験になると思います。 家族と仲間を普通に守っていく人たちを軸に、山西さん演じる傷痍軍人で娘の夫が、自分が信じて全てを捧げてきた生き方のおかしさを失った右手の痛み、疼きに気づかされていく過程、価値観の違う竹田(木場さん)との台詞のやり取りは、ボケとツッコミの達人の漫才以上の面白さ。 見所いっぱい。 最後は、やっぱり泣いてしまいます。 美しすぎます。 それでも歌い笑い、明るく生きようとする人々。 井上ひさしさんの傑作はたくさん見てきましたが、今回の公演はまた一段と素晴らしいです。 圧巻の舞台、是非体感してください。 生が一番です。 1幕2幕、それぞれのラストで涙があふれました。 心に突き刺さるラストに、きな臭い今を改めて考えさせられます。 迷っていたら絶対観てほしい、観て良かったと思える舞台です。 そして、茶の間の日めくりカレンダーにも注目してください。 公開するのは幻の作品の直筆原稿用紙、冒頭3枚。 今後上演されることのない幻の作品の序章をお楽しみ下さい。 また、「パズル」原稿の公開と合わせて、楽しくこまつ座の作品を知る事ができる「こまつ座のパズル」を同時展示いたします。 第1回公演『頭痛肩こり樋口一葉』から公演中止となった『オセロゲーム』や紀伊國屋サザンシアターの杮 落とし公演となるはずだった『普通の生活』まで、特別公演などを含めこまつ座として上演歴があるのは全48作品。 そのうちの43作品が列記されています。 欠けてしまった5作品はなんなのか。 5作品全て正解した方から抽選で、こまつ座豪華オリジナルグッズをプレゼントいたします。 是非お楽しみに! こまつ座代表 井上麻矢さんより こまつ座は1984年の旗揚げ公演から、今回で第120回公演という記念の回を迎えることができました。 お芝居は一人では作れません。 たくさんの演劇を愛する人たちの手をお借りして33年走り続けてまいりました。 「過去に学んで未来に生かす」気持ちでこれからも歩み続けていくことでしょう。 いつも観てくださるお客様にどうしたら喜んでいただけるか、私たちが今回企画した展示はそんな気持ちの中で生まれました。 混沌とした時代だからこそ、劇場でしか味わえないものをお持ち帰りいただけるように取り組んでいます。 どうか劇場に足を運んでいただければ幸いです。 ただし、満席になり次第、ご入場を締め切らせていただくことがございます。 他では見られない貴重な資料を一挙大公開!!『きらめく星座』公演期間中、劇場ロビーにて開催。 <スタッフ> 作:井上ひさし 演出:栗山民也 <キャスト> 秋山菜津子、山西惇、久保酎吉、田代万里生、木村靖司 後藤浩明、深谷美歩、阿岐之将一、岩男海史、木場勝己 ごく普通の人間のごく普通の生活をキチンと描けば観客が腹をかかえて笑い、ポロポロ涙を流してくださる。 観客の笑いと涙、これは戯曲を書く人間にとって最大、最高の勲章です。 これが昭和庶民伝三部作そもそもの始まりです。 これはいわば私戯曲のようなもの。 戦争の影が日ごとに色濃くなっていた昭和15年、太平洋戦争開戦の前年、 東京・浅草の小さなレコード店に集う人々を通して描いた作品です。

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こまつ座第120回記念公演『きらめく星座』開幕レポート~栗山民也さん&キャストコメント&舞台写真&感想が届きました~ 感激観劇レポ|おけぴネット

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井上ひさしは、作家・劇作家という「ことば」を扱う者として、人間の持つ最高の文化といえる「ことば」に対して並々ならぬ研究を重ね、自身の持つ知見を常に最大限に発揮しながら戯曲や小説を書き続けました。 言葉を扱う発信者側の責任、発信された言葉をどう受け止めるかという受信者側の責任、この二つの責任をどう考えるかは、今もわたしたちの課題でありつづけていますが、それを「うんとおもしろく」書いたものがこの作品です。 ですか ら、うんと楽しんでいただければそれでいいのです。 そして皆様のお心のどこかに受信と発信の関係について少しでも 残るものがあれば、それこそ作者冥利に尽きます。 こまつ座の提携公演も含め、今回の大千秋楽で公演回数は累計500回目を数えます。 今回、小笠原ふじ役を演じるのは、舞台、ドラマ、映画など幅広く活躍する秋山菜津子さん。 ラストシーンの「青空」 の歌唱と演技が高い評価を受け、第22回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞しました。 また脱走兵の長男・正一(しょういち)を演じるのはオペラやミュージカルでご活躍中の田代万里生さん。 明るく陽気な一家を描く笑いの絶えない舞台ながら、その幸せな時間が 時代の波に流されバラバラになっていく様は、現代への井上ひさしからの強烈なメッセージと平和への祈りを感じさせ ることでしょう。 小さなレコード店「オデオン堂」に四人の家族と二人の間借り人が仲良く暮らしていた。 しかし、陸軍に入隊していた長男の正一が脱走して「非国民の家」扱い。 追手がかかり憲兵が住み込みで見張りをする始末。 ところが長女・みさをがたくさんの傷痍軍人と交わしてきた文通ハガキの中から選んだ源次郎と結婚するにいたって、今 度は一転「美談の家」に。 ジャズ(=敵性音楽)が好きで歌謡曲(=軟弱な音楽)が好きなオデオン堂の面々と、軍歌一辺倒の婿・源次郎は何かと衝突が絶えない。 戦争へ向かう世の中に振り回されて、生活の小さな喜びを大事にしてきた普通の一家の行く末は、果たして。 言葉が俳優の肉体に染み込んだ状態でスタート出来たので、自然に開かれていく様は、あたかも日常生活の断面をそのまま切り取ったように柔らかだ。 井上さんに見せたい、聞かせたいと、心から思う。 日常の ニュースのなかに平然と流れる、「排除」「選別」といった言葉が人間に対して平然と使われる今の時代は、『きらめく星座』で描かれる時代と怖いほどに重なる。 こういう芝居が必要ないと「排除」されるのなら、もう私たちの生活から物語や文化というものが、どこかへ葬られてしまう事になる。 ちゃんと守らなくては、と切実に思う。 これ程 皆さんにお届けしたいと願う作品は、本当に稀かもしれません。 それだけの魅力と力を備えた井上ひさしさんの「きらめく星座」。 私も誠心誠意、心を込めて演じたいと思っています。 この名作戯曲を鯛の塩焼きに例えれば、夢中で食べた3年前と比べて、今回は一口ずつじっくり味わい、残った骨からも美味しいお出汁をとっていただいた位に更に充実した稽古が出来ました。 初演から30年以上を経てもなお、益々輝きを増して今の私たちの胸に迫る「きらめく」台詞の数々を、素敵な共演者の皆様と共に精一杯お届けしたいと思います。 劇場にてお待ちしています。 現代の私たちは、今【何を】見上げているのか。 今回の舞台は、例外なく誰にとっても自らのルー ツに繋がっているのではないかと思います。 井上ひさしさんの力強いメッセージをこの作品を通して精一杯体現し、人間そのものである『ピカピカの奇蹟』を、より一層輝かせることが出来ますよう に。 数ある井上ひさし作品の中でも、自身の「私戯曲」とまで言っているほど思い入れのある大傑作。 全力でお届け致します。 この時の役は、脱走兵・正一です。 2009年、2014年の再演では、広告文案家・竹田慶介です。 自ら語っていた台詞を聞き、聞いていた台詞を、自らが口にする、奇妙で新鮮な経験でした。 そして、もうすぐ初日の今回も、竹田慶 介です。 あの「人間広告」の台詞を、長年に渡って言わせていただきましたが、オデオン堂の居 候も67才。 今回が最後になるかも知れません。

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