武蔵小杉 停電。 武蔵小杉人気の転換点に…タワマンの脆弱性露呈、11棟中2棟のみ停電&断水の原因

武蔵小杉タワマン浸水原因の報告書がすばらしい

武蔵小杉 停電

武蔵小杉のタワーマンション群(撮影=編集部) 今、 武蔵小杉はどうなっているのか。 この間、浸水して停電が起こった「武蔵小杉駅前の タワーマンション2棟の不動産価格が下落している」など様々な情報が出ている。 果たして事実なのか。 被災2カ月後の武蔵小杉を取材してみた。 タワマン住民、市に賠償求め要望書 東急・JR武蔵小杉駅周辺を含む川崎市中原区の被害は、最終的に住宅半壊483戸、床上浸水381戸、床下浸114戸に上った。 タワーマンション付近などは最大浸水水約1. 3メートルだったという。 12月5日、浸水したタワーマンションの周辺に行ってみたが、電気も復旧し、平穏な日常を取り戻しているようだった。 男性住民に話を聞いたところ、次のように語った。 「何も話せません。 もうこれからは、法律的な話になってきています。 マンション価値が下がったという話を最近よく聞きます。 損害を被った分、ちゃんと被害弁償してもらわないといけないので」 確かに住民らはこの日、行動に出ていた。 5日付共同通信『武蔵小杉タワマン浸水、住民が検証と賠償求め要望書』によると、「被災住民らが5日、市が逆流を防ぐゲートを閉めなかった判断は過失だとして、第三者委員会による検証と賠償を求める要望書を福田紀彦市長宛てに提出した。 台風の影響で水位が上昇した際、市は雨水が街中にたまるのを避けるため操作手順書に従いゲートを閉めなかった。 11月から開いている住民説明会でも『適切な判断だった』と説明している」という。 市「手順書通り適切に行った」 浸水被害を受けたタワマンの周辺は、生活排水と雨水を同じ排水管で流す「合流式下水道」となっている。 大雨の場合、生活排水は雨水と一緒に多摩川の放水口で放流されるのだが、今回は台風の影響で川の水位が想定以上に上昇。 川の水位より高い位置に設置してあった放水口が水没し、川の水が逆流してマンホールから噴き出した。 放水口には水門が付いていて、川と市街地の排水を遮断することもできた。 ただ、水門を閉めれば川の水は逆流しないが、市街地の排水は不可能になり、下水がマンホールからあふれ出ていた可能性もあった。 川崎市はこのことを指して、ゲートを閉めなかったことを「手順書通りの適切な判断だった」としているのだ。 そもそも市が用意していた水門操作の手順が適切だったのかという疑問もある。

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タワマン停電、住みたい街:武蔵小杉に何が起きた?資産価値どうなる?

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武蔵小杉のタワーマンション群〔PHOTO〕iStock そう話すのは、47階建ての高級タワーマンション「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」(以下、パークシティ武蔵小杉)に住む40代の女性だ。 住民向けに携帯トイレが配布されたというが、使用している人は少ないようだ。 この女性が続ける。 「トイレが使えないこともあり、住民の中には近くのホテルや知り合いの家に泊まっている人たちも多いようです。 夜になっても明かりが点かない部屋が多いのは、まだ停電している部屋があるのと、そういった理由で不在の部屋があるためです(左頁写真)。 タワマンに住んで、まさか台風でこんな事態になるなんて、想像していませんでした」 甚大な被害を及ぼした台風19号の上陸から2週間が経った。 各地で大きな爪痕を残したが、中でも注目を浴びたのが川崎市武蔵小杉である。 武蔵小杉といえば、「SUUMO 住みたい街ランキング2019」でも、関東9位にランクインするなど、「住みたい街」ランキングの常連として知られている。 街の中心にはJR南武線、東急東横線の駅があり、少し離れた場所にはJR横須賀線も走っている。 「グランツリー武蔵小杉」といった大型複合施設なども多く、共働きの高所得夫婦やファミリー層から高い支持を得ている。 そんな人気の街の中心に建っているタワマンが、冒頭のパークシティ武蔵小杉である。 高さは約160m、'08年に完成した。 「武蔵小杉の各駅から、ちょうど徒歩2~3分ほどの場所に建っているという最高の立地です。 外観や内装も高級感がありますが、その割に周囲の物件と比べて桁外れに高額というわけではないので、人気が高い。 10階~30階あたりの中層階だと、3LDKで約7000万円~9000万円が相場でしょう。 部屋数643戸という大型マンションですが、人気物件で、空きは少ない。 『武蔵小杉ナンバーワンタワマン』と呼ぶ人もいます」(地元不動産業者) この高級タワマン周辺で異変が起き始めたのは、10月12日の深夜のこと。 台風19号による暴風と大雨が猛威を振るうなか、突然街のあちこちから水があふれ出したのだ。 JR南武線、東急東横線の武蔵小杉駅の南側のエリアでは、大人の膝上ほどの高さまで水が流れ込み、一帯は冠水した。 冠水した水が暴風で東へ西へと流される様子は、まるで突然街中に大きな川が現れたようだったという。 さらなる本当の悲劇は台風通過後にやってきた。 「台風翌日の13日のお昼頃には、水はずいぶん引きました。 しかし、冠水したバスロータリーの辺りには大量の泥が溜まったままでした。 周囲には汚泥の匂いが漂っていて、マスクをして歩く人の姿もありました」(川崎市市民自治財団事務局長の田澤彰氏).

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タワマン停電、住みたい街:武蔵小杉に何が起きた?資産価値どうなる?

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プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ) 兵庫県出身。 同志社大学法学部卒業。 業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。 ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。 共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名儀)など。 武蔵小杉・二子玉川と川口「タワマン大水害」の明暗が分かれた原因 今年の台風19号は、過去最強クラスと言われ、各地で水害をもたらしたが、首都圏では 多摩川水系に被害が集中したのが1つの特徴だ。 特に、 武蔵小杉と二子玉川は平成になって発展した、庶民が憧れるセレブタウンで、「失われた20年」と言われる日本の停滞期に資産形成した勝ち組が集住する、タワーマンションが立ち並ぶことで知られているが、 思わぬ水害に見舞われて脆弱性が露呈している。 一方で、 埼玉県の川口もまたタワマンの多さでは引けを取らないが、たびたび洪水を起こしてきた荒川に面し、かつての工業地帯で土地も全般に低くて雨水が溜まりやすい地形であるにもかかわらず、下水道や遊水地の整備が進んで、 被災を逃れている。 どうして明暗が分かれてしまったのだろうか。 武蔵小杉駅中央口2を出れば眼前にセレブなタワマン群が広がる 元々は多摩川の水利を活かした工場街で、現在は地方や海外に移転した企業も多いが、今も日本電気(NEC)の工場から転用したオフィスビルや研究所などがある。 工場ができる前は、下沼部という地名が示すように、 多摩川の旧流路であり、水が溜まりやすい低地の湿原だった。 撤退した工場の跡地が、タワマン街となった。 ここ10年ほどで急速に発展し、 計6,700戸ほどが入居しており、今も建設中、計画中のタワマンも数棟ある人気タウンとなっている。 一方で、保育園の数や駅の設備増強が追い付かず、保育園に落ちたとか通勤時の改札口の混雑が半端ないといった、住民の悲鳴が聞こえるようになった。 川崎市上下水道局によれば、武蔵小杉駅周辺部で起こった冠水は、多摩川の堤防が決壊したり、水位が上がって堤防を越水したりしたものではなく、 多摩川の水が下水道を通って逆流してきたものだ。 なぜなら、冠水した地域には大量の土砂が入ってきており、多摩川から来たと考えられるからだ。 水道局の職員が、10月12日の夜、地域の下水を集めて多摩川に放出する山王排水樋管を閉める前に、中原消防署前と横須賀線口(新南口)バスターミナル入口、2ヶ所の交差点付近のマンホールから、下水が逆流して噴出するのを確認している。 武蔵小杉一帯では、最大で1. 4mの浸水があった。 深刻な災害をよそに、ハイテンションになっている住民もいたようで、海水パンツ姿で浮輪を浮かべて水遊びをする猛者も出現した。 この地域のタワマンはかつての工場街の下水道インフラの上に、建てられている。 台所、トイレ、風呂などの 生活排水も雨水も一緒に、下水処理場に送られる旧型の合流式下水道を採用。 大雨が降って下水処理場の能力を超える場合は、その分の 生活排水と雨水が多摩川に放流される仕組みだ。 今回は放流しようとした下水が、多摩川の水位が想定以上に上昇したため、川の水と共に逆流し、内水氾濫を起こした。 従って、武蔵小杉を覆った泥水は、 多摩川の水に、希釈化された生活排水が混じった混合物ということになる。

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