コロナ サイトカイン ストーム。 新型コロナウイルスって怖いの!?(3) ―本当の死因「サイトカイン・ストーム」とは?

コロナの怖さ、サイトカインストーム(免疫システムの暴走)とは?

コロナ サイトカイン ストーム

新型コロナウイルス感染症 COVID-19 は、SARS-CoV-2ウイルスにより引き起こされる感染症である。 現時点で有効な抗ウイルス薬や、ARDSに対する確立した治療方法はなく、1日も早い治療薬の開発が望まれる。 SARS-CoV-2はACE2を受容体として感染し、自然免疫系とAngII-AT1Rを介して、NF-kBとSATA3転写因子の活性化を誘導する。 STAT3はNF-kBの活性化を増強することにより、IL-6などの炎症性サイトカイン産生を増強する。 この増幅回路はIL-6アンプと呼称される。 関節リウマチなどの慢性炎症性疾患発症に重要な役割を果たし、抗IL-6受容体抗体トシリズマブはこれらの疾患の治療に有効である。 COVID-19に見られるARDSは、サイトカインストームにより生ずると考えられる。 CAR-T治療における致死的な副作用であるサイトカインストームに対して、抗IL-6受容体抗体トシリズマブは有効である。 本論文では、サイトカインストームがIL-6アンプの活性化により生じていることを考察するとともに、抗IL-6受容体抗体トシリズマブや、AngII-AT1R阻害薬のCOVID-19治療への可能性について言及する。 はじめに 昨年12月に中国で発症した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、パンデミック感染症となり、5月23日現在世界中の感染者は521万人、死者は33. 8万人に達した。 現時点での致死率は6. 一般の風邪を引き起こすコロナウイルスには、2種類のアルファコロナウイルスと2種類のベーターコロナウイルスが存在する。 2003年に流行したSARSウイルス SARS-CoV-1 や、2015年のMERSウイルス MERS-CoV は、これまでの研究でベーターコロナウイルスの仲間であることが明らかになっている[1]。 これらのウイルスの遺伝子情報に基づき、2019年の年末に発生した原因不明の重症肺炎を引き起こすウイルスが、SARS-CoV-1やMERS-CoVと似たRNAウイルスであるベーターコロナウイルスの仲間であることが、短期間に明らかになった[2] [3]。 WHOはこのウイルスをSARS-CoV-2と命名した。 またSARS-CoV-2で引き起こされるウイルス感染症を、「2019年新型コロナウイルス感染症 COVID-19 」と命名した。 さらに、SARS-CoV-1の受容体はアンジオテンシン変換酵素2 ACE2:angiotension converting enzyme 2 であるが[4] [5]、SARS-CoV-2も同じくACE2を受容体とすることが明らかになった[3] [6]。 また血管炎や血栓症、脳梗塞、心筋障害などを合併するとともに、急性腎機能不全などの多臓器不全を合併することが多い[7] [8]。 また、心臓血管疾患、高血圧、糖尿病、慢性肺疾患、慢性腎疾患などの基礎疾患や、加齢、肥満や喫煙などが重症化リスク要因として報告されている。 現時点では、確実に効果のある治療薬は存在せず、一刻も早くワクチンや治療薬を開発するための取り組みが世界中で行われている。 特にARDSは致死率が高く、治療方法の開発は緊急の課題である。 また、重症のARDSにおいては血中IL-6濃度が上昇している [10] [11]。 COVID-19におけるARDSはサイトカインストームによって生じていると考えられており、ARDSの治療には単に抗ウイルス薬のみでは不十分で、サイトカインストームを抑制することが必要であると考えられる[12] [13]。 白血病の治療に使用されるCAR-T治療における致死的な副作用であるサイトカインストームでは、IL-1 やIL-6が中心的な役割を担っており[14] [15]、IL-6の阻害薬である抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(商品名、アクテムラ)が有効であることが示されている[16]。 COVID-19における重症肺炎においても抗IL-6受容体抗体トシリズマブの有効性が示唆されている[17] [18] [19]。 1986年のIL-6発見により[20]、 IL-6は免疫反応のみならず、血液系、神経系、内分泌系や初期発生など生体の恒常性維持や慢性炎症性疾患やがんに重要な役割を果たしているサイトカインであることが明らかになった[21]。 さらに、慢性炎症 誘導の基盤として炎症性サイトカイン産生増幅回路であるIL-6アンプ IL-6 AMP:IL-6 amplifier の存在が明らかにされた[23]。 IL-6 アンプは、気管支・肺胞上皮細胞、線維芽細胞や血管内皮細胞などの非免疫細胞に存在し、非免疫細胞と免疫細胞の相互作用を仲介するとともに、NF-kB経路とSTAT3経路の同時活性化によってNF-kB活性化の亢進を誘導し、種々の炎症性サイトカインやケモカイン、増殖因子などを病態局所にて持続的に産生する[22]。 IL-6アンプは、関節リウマチなどの慢性炎症性疾患や自己免疫疾患やがんなどに関与している[24] [25]【図表1】。 実際に、 抗IL-6受容体抗体トシリズマブが関節リウマチなどの慢性炎症性疾患の治療に有効である[26] [27]。 これらの知見に基づき、COVID-19に発症する致死的な急性呼吸器不全ARDSの発症の仕組みを考察し、その治療としてIL-6-STAT3経路遮断の有効性を考察する。 図表1 IL-6アンプは関節リウマチなどの慢性炎症性疾患や自己免疫疾患やがんなどに関与する 新型コロナウイルス感染は受容体ACE2とTMPRSS2依存的 SARS-CoV-2が受容体であるACE2に結合するためにはウイルス膜にあるスパイク蛋白が必要である。 SARS-CoV-2のスパイク蛋白の遺伝子配列に基づく構造解析では、SARS-CoV-1のそれと類似していることから、ACE2を受容体としていることが示唆された[2]。 細胞を使用したウイルス感染実験やスパイク蛋白の細胞への取り込み実験によりACE2がSARS-CoV-2の受容体であることが明らかになった[3] [6]。 ACE2 はI型膜タンパクであり、2型肺胞上皮細胞、心筋細胞、近位尿細管細胞、腸や食道上皮細胞、血管平滑筋細胞、鼻粘膜や口腔粘膜などの扁平上皮細胞などにも発現している。 SARS-CoV-2はACE2を受容体として感染するが、細胞内に入るためにはSARS-CoV-1と同様に、ウイルスのスパイク蛋白が細胞表面に存在するセリンプロテアーゼであるTMPRSS2により切断される必要がある。 その後、切断されたスパイク蛋白のサブユニットがウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす結果、ウイルスはACE2とともに細胞内に取り込まれる。 実際に、TMPRSS2の阻害剤は、ウイルス感染モデル実験系においてウイルスの細胞内取り込みを阻止した[6]。 またACE2に対する抗体もウイルスの細胞内取り込みを阻止した。 したがって、ウイルスとACE2との結合を抑制する分子や、TMPRSS2の阻害剤はウイルス感染を抑制する効果が期待され、ウイルス感染の初期には大変有効な治療薬になる可能性がある。 このような治療薬の候補としては、ウイルス膜タンパクやスパイクタンパクに対する抗体や、治癒した患者に存在する抗体が期待される。 またTMPRSS2の阻害剤としては、すでに日本で膵臓炎の治療薬として承認されているカモスタットやナファモスタットがある[28]【図表2】。 図表2 新型コロナウイルス感染は受容体ACE2とTMPRSS2依存的 自然免疫と獲得免疫によりウイルスは排除される SARS-CoV-1 やMERS-CoVが感染すると、自然免疫の受容体であるPattern Recognition Receptors PRRs と呼ばれている分子が活性化され、自然免疫が活性化されることが明らかになっている[1]。 また、Interferon regulatory factor 3 IRF3 とIRF7が活性化され、抗ウイルス活性を有するタイプ1インターフェロンが産生される。 実際IL-6欠損マウスではウイルス感染や細菌感染への抵抗性が低下する[29] [30] [31]。 マウスのSARS-CoV-1感染実験において、Myd88欠損マウスではサイトカインやケモカインの産生低下とマクロファージの肺への集積低下が見られるとともに、重篤な肺炎症状を示した[32]。 さらに、ケモカインによりTリンパ球、Bリンパ球や樹状細胞が感染局所に引き寄せられて、獲得免疫が活性化される。 自然免疫と獲得免疫の免疫反応によりウイルスが排除される。 IL-6 はウイルスや細菌感染に対するこれらの免疫反応に重要な役割を果たしている[25]【図表3】。 図表3 自然免疫と獲得免疫によりウイルスは排除される 実際、ICU治療を必要としなかったCOVID-19患者においては、必要とした患者に比較してスパイク蛋白に対するIgG抗体価は有意に高値を示した。 また前者では、スパイク蛋白IgG抗体価の増加はCRP値の低下と相関した[33]。 すなわち、 風邪の原因ウイルスであるコロナウイルスに反応するT細胞がSARS-CoV-2とも反応する免疫交差反応の存在が示唆されており、多くの感染者が無症状か軽症で済む要因の1つの可能性がある。 また、以下の自然免疫における訓練免疫とも合わせて、想定されている集団免疫閾値が低くなる可能性がある。 日本を含むBCG接種国や地域では、単位人口あたりのCOVID-19発症数や死亡数が少なく、BCG接種が原因の1つである可能性が指摘されている [35] [36] [37]。 BCGは自然免疫の強力な刺激効果を有しており、したがってBCG接種は結核以外の感染症にも有効であることが示されている。 例えばBCGにより幼児の死亡率が下がるなどである。 自然免疫にもTrained Immunity(訓練免疫)と呼称され、獲得免疫における免疫記憶と似た能力がある(あくまでも抗原非特異的である)。 BCGにより自然免疫が訓練され、結核菌以外の感染症に対する自然免疫反応も増強されると考えられている [36]。 このような現象がCOVID-19にも当てはまれば、上述した獲得免疫における風邪コロナウイルスとの免疫学的交差反応と合わせて、COVID-19による重症化抑制や集団免疫閾値低減化に関与している可能性がある。 このように、SARS-CoV-2感染により自然免疫と獲得免疫が活性化されてウイルスが排除されるとともに、損傷を受けた肺組織などが修復されて治癒にいたる。 しかしSARS-CoV-1やMERS-CoV は、PRRsを介するシグナル伝達やタイプ1インターフェロン作用を阻害する様々な分子を作り出して自然免疫を抑制する[1]。 また、IL-6-STAT3シグナルはMHCII発現を抑制するが[38]、COVID-19に伴うARDSにおいても、IL-6 増加と単球におけるHLA-DR発現減少、さらにTリンパ球やBリンパ球減少が認められる。 抗IL-6受容体抗体トシリズマブでこれらの減少は部分的に快復する[11]。 リンパ球減少は獲得免疫の機能低下を招き、ますますウイルスが増殖することになる。 そして、免疫反応がウイルスを排除することができずに、肺組織の損傷が拡大していくと、サイトカインストームがおこり重篤なARDSに至る。 では、サイトカインストームはどのような機序で生じるかを考察したい。 サイトカインストーム:AngII-AT1R, PRRsとIL-6アンプの共演 上述したように、SARS-CoV-2が細胞に感染すると細胞膜上のACE2発現が減少する。 SARS-CoV-1もACE2を受容体として感染するが、それに伴いACE2発現が低下することがすでに明らかにされている[5]。 ACE2 はアンジオテンシII AngII をAng 1-7 に変換するので、ACE2の減少によりAngIIが増加する。 一方、Ang 1-7 はMasR Mitochondrial assembly receptor を介してAT1Rシグナルに拮抗する[39] [40] [41]。 このように、細胞膜にあるACE2が減少すると、アンジオテンシン受容体タイプ1 AT1R を介するAngIIの作用が増強される【図表2】。 AngIIはAT1Rを介して血管収縮のみならず、血管透過性亢進や細胞増殖や炎症誘導作用があり、心臓血管障害やがんに関与する[39] [40] [41]。 AT1RはG蛋白質共役受容体で、血管平滑筋、繊維芽細胞、心筋細胞、肺、腎臓、脳など多くの細胞や臓器で発現している。 AT1Rはイノシトールトリスリン酸 IP3 やジアシルグリセロールを介してカルシウム濃度上昇やプロテインカイネース Cの活性化を誘導し血管収縮やアルドステロン分泌を誘導するのみならず、活性酸素の産生誘導やADAM17 a disintegrin and metalloprotease 17 という細胞膜上に存在するプロテアーゼを活性化する。 一方、IL-6はその受容体を介してマクロファージやリンパ球などの免疫細胞に転写因子STAT3を活性化する。 活性化されたSTAT3はNF-kBに作用して、その活性化をさらに強め、IL-6アンプが活性化される[13]【図表2】【図表4】。 一方、免疫反応がウイルスを排除できない間に、ウイルス感染により肺胞上皮細胞などの細胞死が生じる。 大量の死細胞から放出されたダメージ関連分子パターン DAMP:Damage associated molecular pattern がPRRsに認識されNF-kBが活性化される。 さらに、SARS-CoV-1のN蛋白 Nucleocapsid protein は、IL-6遺伝子プロモーターに直接またはNF-kBを介して作用することによりIL-6遺伝子発現を誘導する[43]【図表4】。 図表4 サイトカインストーム:AngII-AT1R, PRRsとIL-6アンプの共演 このように、自然免疫を介するシグナル伝達系とAngII-AT1Rを介するシグナル伝達系が協調して、STAT3によるNF-kB活性化が持続的に亢進する。 すなわちIL-6アンプが活性化されて、大量の炎症性サイトカインやケモカインなどが産生されて、サイトカインストームに至ると考えられる[13]。 実際に、SARS-CoV-1によるARDSが、ACE2リコンビナントタンパク投与やAT1R阻害剤で阻止できる[5]。 さらに、トリインフルエンザウイルスA H7N9 感染で生じるARDSにおいてもACE2-AngII-AT1Rが重要な役割を果たしており、AT1R阻害剤がARDSを抑制した[44]。 SARS-CoV-2によるARDSにおいても抗IL-6受容体抗体トシリズマブの有効性が示唆されている[17] [18] [19]。 重症化リスク要因としては、心臓血管疾患、高血圧、糖尿病、慢性肺疾患、慢性腎疾患などの基礎疾患や、加齢、肥満や喫煙などが報告されている。 加齢に伴い免疫機能は低下するので、一般的に感染症に対するリスクは上昇する。 加齢を含め、これらのリスク要因は少なからず慢性炎症と関連があり、IL-6アンプ活性化ベースラインを引き上げている可能性がある。 実際、加齢に伴いIL-6は上昇しており、IL-6アンプの活性化は起こりやすくなっていることが考えられる。 加齢、肥満や喫煙は慢性炎症を誘導し、糖尿病、心臓血管疾患などのIL-6が関与している慢性炎症疾患や悪性腫瘍と密接な関連がある。 また、これらのリスク要因はACE2-AngII-AT1Rとの関連もある。 サイトカインストームとどのような関連があるかはさらなる解明が必要。 サイトカインストームはウイルス感染に限定されない サイトカインストームを伴うARDSは、ACE2受容体とするSARS-CoV-1やSARS-CoV-2のみならず、MERS-CoVやインフルエンザウイルスなどのウイルス感染や敗血症などでも生じる。 さらには誤嚥性肺炎のように胃酸や人工呼吸器などによる肺の損傷でも生じる[45]。 また白血病の治療で行われるCAR-T治療においても生じる。 これらに共通しているのは、大量の細胞死である。 死細胞から放出されるDAMPsがPRRsを活性化しIL-6アンプが活性化されると考えられる。 実際にCAR-T治療における致死的なサイトカインストームはIL-1やIL-6が関与しており[14] [15]、その治療には抗IL-6受容体抗体トシリズマブが有効である[16]。 また、肺炎のみならず、敗血症や胃酸、あるいは肺の外傷によって引き起こされるARDSモデルマウス実験においても、ACE2-AngII-AT1Rシグナル伝達系が重要な役割を果たしている[46]。 興味深いことに、ARDS発症とその重症化にACE遺伝子多型が関与していることが報告されている[47]。 さらに、胃酸によるARDSやSARS-CoVやインフルエンザウイルスH5N1で誘導されるARDSマウスモデル実験においてもPRRsの一種であるTLR4を介するマクロファージの活性化が関与している[48]。 さらに、敗血症ラットモデル実験で誘導されるARDSや腎機能不全が、抗IL-6受容体抗体がNF-kB 活性化を抑制することにより抑制することが示されている[49]。 したがって、COVID-19に見られるARDSの治療にはIL-6-STAT3阻害剤やAngII-AT1R阻害剤が有効であると考えられる。 ただし、IL-6などのサイトカインは抗ウイルス活性があるので、感染初期に投与すると逆効果になると考えられるので、投与時期は血中IL-6濃度やD-ダイマーなどの組織損傷マーカーなどを指標に慎重に選ぶ必要がある[11] [50]。 これらの阻害剤はウイルスや細菌のみならず外傷などで引き起こされるサイトカインストームが原因のARDSはもちろんのこと腎機能不全など他の臓器不全にも効果が期待できる。 [引用文献]• de Wit, E. , et al. , SARS and MERS: recent insights into emerging coronaviruses. 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新型コロナウイルスって怖いの!?(3) ―本当の死因「サイトカイン・ストーム」とは?

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身体がウイルスや細菌に初めて遭遇すると、免疫システムの働きが高まって、侵入者と戦い始める。 この戦いで歩兵となるのがサイトカインと呼ばれる分子で、細胞にシグナルを次々と送り出して反応を促す。 通常、この免疫反応が強いほど、感染症に打ち勝つ可能性も高くなる。 子供や若者が全体的にコロナウイルスの影響を受けにくいのは、これが理由の1つである。 そしていったん敵が打倒されれば、免疫システムは自らオフになるように作られている。 サイトカインストームの専門家であるアラバマ大学バーミンガム校のランディ・クローン博士は、「これはほとんどの人で、そしてほとんどの感染症で起こっていることです」と説明する。 しかし一部のケースでは(クローン博士のチームによれば、あらゆる重症感染症の患者の15%程度)ウイルスの脅威が去ってからしばらくたっても、免疫システムが暴れ回っている。 免疫システムは、身体を厳戒態勢において、消耗させるサイトカインを放出し続ける。 そうしたサイトカインが、誤って身体を守ろうとした結果、肺や肝臓を含む複数の臓器を攻撃してしまい、これが死につながる場合がある。 関連記事: 健康な若者はサイトカインストームで命を落とす? サイトカインストームはあらゆる年齢の人を襲う可能性があるが、一部の科学者は、1918年のインフルエンザのパンデミックや、もっと最近のSARSやMERS、新型インフルエンザの流行の期間に健康な若者が亡くなったのは、サイトカインストームで説明できると考えている。 この現象は、全身性エリテマトーデスやスティル病(関節炎の一種)など、 さまざまな自己免疫疾患の合併症としても起こる。 さらにサイトカインストームは、他の面では健康な若い新型コロナウイルス感染症患者が、急性呼吸窮迫症候群で亡くなっている理由の手がかりとなる可能性がある。 急性呼吸窮迫症候群は、サイトカインストームの結果として生じることが多いのである。 中国やイタリアでは、この現象と一致すると思われる臨床症状のある若い患者が報告されている。 こうした患者の一部は、サイトカインストームを起こしていた可能性が非常に高いとクローン博士はいう。 前述の42歳の患者のケースでは、サイトカインストームが疑われたため、医師らは最終的に トシリズマブという薬を投与した。 これは、危険な状態にある免疫システムを落ち着かせるのにときおり使われてきた薬だ。 この薬を8時間間隔で2回投与しただけで、患者の熱は急激に下がり、酸素レベルが上昇した。 胸部スキャンでは肺がきれいになっているのがわかった。 「アナルズ・オブ・オンコロジー」誌に掲載された、この患者の症例は、イタリアや中国からの数十件の報告とともに、トシリズマブが一部の患者において、新型コロナウイルスに対する有効な治療薬である可能性を示している。 3月5日に、中国は、新型コロナウイルス感染症の重篤患者にトシリズマブを使用することを承認し、臨床試験の実施を認可した。 3月23日には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が製薬会社ロシェに対して、数百人のCOVID-19患者を対象としたトシリズマブの臨床試験を認可した。 トシリズマブは、関節リウマチや、数種類のがんにおいて、免疫分子の過剰な活動を抑える作用が認められている。 インターロイキン-6という、過剰な免疫反応に関連する特別なサイトカインの活動を抑制するのである。 関連記事: 2週間前までは医師も知らなかった「サイトカインストーム」 研究者らは、治療法を探ると同時に、一部の患者の免疫システムが危険な暴走状態になる理由について理解を深めようとしている。 少なくとも一部の種類のサイトカインストームの場合、そのリスクは遺伝要因で説明がつく。 サイトカインストームには多くのバリエーションがあり、 全身性炎症反応症候群、 サイトカイン放出症候群、 マクロファージ活性化症候群、 血球貪食性リンパ組織球症というように、多くの名称がある。 おおまかにいえば、これらはどれも免疫分子の無制限の増加が特徴である。 結果として、複数の臓器の機能が停止し、命に関わる可能性がある。 しかしこのニッチ的な概念に精通していない医者が多いと専門家は指摘する。

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コロナ重症化招く「免疫の暴走」 抑制期待の治療薬は? [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

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この記事の概要• サイトカインストームは、T細胞が活性化してサイトカインを放出することで起こる• サイトカインストームの治療として、T細胞の無力化、活性化の抑制がターゲットとなる• 幹細胞治療により、免疫システムを調整し、サイトカインストームの軽減・抑制が期待されている 新型コロナウイスル(COVID-19)の報道で「 サイトカインストーム」という言葉を聞いた方は多いと思います。 テレビや新聞などの限られた時間、限られた字数では、サイトカインストームがよくわからない方もいらっしゃると思います。 この記事では、サイトカインストームの内容と、現行行われている治療、そして幹細胞治療の可能性について解説します! もくじ• サイトカインストームとは 1-1. サイトカインとは? サイトカインストームを理解するためには、まず サイトカインとは何かを理解することが必要です。 サイトカインは、 細胞から分泌される生理活性物質の総称です。 この物質は、低分子のタンパク質からできており、細胞間の相互作用に関与するので、周囲の細胞に影響を与えます。 多種多様なサイトカインが存在しますが、現在確認されているものとして、インターロイキン、造血因子、インターフェロン、腫瘍壊死因子、増殖因子、ケモカインが挙げられます。 抗体医薬品などを投与したとき、血中に炎症性のサイトカインが放出され、 悪寒、倦怠感、発熱、血圧変化などの症状を起こすことがあります。 これはサイトカイン放出症候群と呼ばれる、即時反応型の副作用です。 この症状が重症化したものをサイトカインストームと呼びます。 1-2. サイトカインストームとは? 薬剤が免疫関連細胞である単球、マクロファージと結合することにより、 T細胞が活性化してサイトカインを放出することでこの症状は起きます。 炎症性サイトカインが主に放出されますが、サイトカインの分類ではインターロイキン、インターフェロン、腫瘍壊死因子などが当てはまります。 サイトカインストームの症状は、 高熱、重度の疲労感、吐き気などで、多臓器不全を引き起こして死亡する ケースもあります。 免疫システムが病原体に対抗するためにはサイトカインが必要不可欠です。 異物が感染した細胞からサイトカインが放出されると、T細胞、マクロファージがそれを検知してその細胞周辺に集まります。 集まった免疫細胞は活性化し、さらにサイトカインを放出させます。 このメカニズムは、身体の監視システムによって過剰放出が起きないように制御されていますが、この制御に狂いが生じると、過剰な活性化が起こります。 例を挙げると、このサイトカインストームが肺で起こると、免疫細胞が気道に集中して、気道閉塞を引き起こして死亡するリスクがあります。 サイトカインストームは、 免疫系が活性する薬を投与したとき、ウイルス、細菌が感染したときに起こるリスクがあります。 医薬品で起こる他に、臓器移植などで起こる移植片対宿主病を始めとして、急性呼吸窮迫症候群、全身性炎症反応症候群、敗血症、鳥インフルエンザの感染、天然痘などの疾患で誘発することが報告されています。 過去、世界的なパンデミックを起こした疾患の場合も、このサイトカインストームが起き、多くの死者を出した、または出したのではないかと言われています。 1918年から流行したスペイン風邪では、基礎疾患の少ない若年層の死亡数が非常に多く、これはサイトカインストームが発生したためではないかという説があります。 2009年の新型インフルエンザ流行における若年層の死亡率の高さも、サイトカインストームで説明されています。 2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行では、香港での死因の多くがサイトカインストームであったことが判明しています。 鳥インフルエンザがヒトに感染して死亡にいたるケースもサイトカインストームが起きている可能性が指摘されています。 サイトカインストームの治療 サイトカインストームの治療には、T細胞の無力化、活性化の抑制がターゲットとなることが多く、いくつかの治療薬が使われています。 OX40-lgは、現在開発中の治療薬です。 抗原提示細胞に出現しているOX40とOX40リガンドの結合を阻害し、T細胞の作用を減弱させます。 シンバスタチンは、OX40とOX40リガンドの発現量を抑制し、過剰な応答を防ぎます。 ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体阻害薬は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)、アンジオテンシンII受容体を阻害します。 この2つの薬は、投与した結果、サイトカインが関連する多くの炎症性病態に効果があり、理論的にもサイトカインストームの抑制効果を持つとされています。 他にも、 ゲムフィブロジル、 フリーラジカル捕捉薬の有用性が確認され、TNF-alpha阻害薬がサイトカインストーム抑止に期待されています。 一方で、抗炎症薬として知られている副腎皮質ホルモン、非ステロイド性抗炎症薬は、急性呼吸窮迫症候群の治療に使われてはいますが、早期の急性呼吸窮迫症候群への有用性は見られていません。 幹細胞は免疫システムを調節する機能があるため、この調節機能を使ってサイトカインストームが起きないように免疫細胞を調節することが期待されています。 コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、各企業はこの幹細胞を使ったサイトカインストームの治療試験を始めています。 一般的に、「 幹細胞はサイトカインを分泌する」ということはよく知られています。 クリニックが宣伝している自由診療の説明内にこのことを意味する文章はよく見られます。 免疫システムが暴走している部位に幹細胞が到達し、サイトカインを分泌したら、サイトカインストームを抑制するのとは逆の効果になってしまうのではないか、むしろサイトカインストームがひどくなるのではないか、と思う人もいるかもしれません。 サイトカインは何種類もありますが、大きく2つのタイプに分けることができます。 1つは炎症性サイトカイン、攻撃の役割を持つサイトカインです。 そしてもう1つは抗炎症性サイトカイン、つまり炎症などから保護するためのサイトカインです。 幹細胞が免疫システム、免疫細胞の作用を調節するというのは、この抗炎症性サイトカインの役割に依存する部分が多くなります。 つまり、 幹細胞は抗炎症性サイトカインを分泌することによって免疫システムを調節しているという面もあるのです。 サイトカインストームに対して、幹細胞を治療のために投入すれば、幹細胞から分泌される抗炎症性サイトカインの役割によって、サイトカインストームが軽減、または抑制できるのではないか、という期待から幹細胞投与の治療が試験されているのです。 さらに、他に期待される事柄の1つに、傷害を受けた細胞の早期修復があります。 幹細胞を投入することによって、 幹細胞から分泌される抗炎症性サイトカインがサイトカインストームを抑制、そして傷害を受けた細胞を幹細胞によって修復できないか、という考え方です。 サイトカインストームを抑制し、細胞がより早く修復されれば、身体の回復も早いのではないかと考えている企業も多いようです。 サイトカインストームにおける幹細胞治療の気になる点 しかし、幹細胞をサイトカインストームに使う治療方法にはいくつか気になる点があります。 これは今後の臨床治験において、慎重にデータを集め、検討しなければならないポイントになります。 まず、サイトカインストームの治療には迅速性が求められます。 急性様の症状が多いので、免疫系の過剰暴走は一刻も早く抑制しなければなりません。 そのため、 幹細胞のサイトカインストームに対する抗炎症性サイトカインの分泌による対応が、どれくらいの時間を必要とするのか、そして効果が現れるまでに要する時間がどれだけなのかは非常に気になるポイントです。 当然、この迅速性は重要視されており、より早い抗炎症性サイトカインの分泌のために幹細胞を改良したものを投与しようとしていると考えられます。 この改良がどれほど効率的に行われるかが、今後の治療薬と治療方法確立のポイントです。 次に、傷害を受けた細胞修復についてです。 サイトカインストームさえ抑制できれば、緊急性の高い状態から脱する可能性が高くなりますが、やはり傷害を受けた細胞は、一刻でも早く修復された方が、患者の予後にも良い影響を与えます。 幹細胞を投与したとして、ただ傷害細胞のそばに行けば、その細胞に分化できるのかどうか、はチェックしなければなりません。 幹細胞が傷害を受けた細胞のそばに行っても、傷害を受けた細胞が属する種類の細胞に分化しなければ、幹細胞の分化機能を使った治療が意味を成さなくなります。 これらのポイントを中心として、今後臨床試験が進み、より早い幹細胞治療方法の確立がこれから行われていくでしょう。 結果的には、 COVID-19のサイトカインストームのみではなく、インフルエンザのようにサイトカインストームを起こす可能性がある疾患全てに利用できる治療方法になるのではないかと期待されています。

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